[東京 17日 ロイター] – 政府が近く閣議決定する経済対策に、経済安全保障強化に向けた5000億円規模の支援策を追加することが新たに分かった。複数の政府筋が明らかにした。岸田文雄首相が自民総裁選で主張した財政の単年度主義是正も追記し、19日に閣議決定する。

与党内で週初めの対策原案を再協議した。半導体などの重要技術の実用化を後押しする狙いで、支援策について「経済安全保障強化に向けて新たな枠組み、取り組みが進展していく中で5000億円規模とすることを目指し、本年中に活動を開始するシンクタンク機能も活用しながら、新たに実用化に向けた強力な支援を開始する」と明記した。

重要物資の安定供給確保やサプライチェーン(供給網)の強靭(じん)化を図ることも併せて盛り込んだ。

分配政策では、原案段階で明記を見送った看護師の処遇改善について、医療機関に勤務する看護職員を対象に、段階的に収入を3%程度引き上げるとし、まずは来年2月から1%程度(月額4000円)引き上げる。保育士や幼稚園教諭、介護・障害福祉職員は来年2月に3%程度(同9000円)の賃上げを行う。

経済対策では、財政投融資も含め規制・制度改革・税制改正など「あらゆる政策手段を活用した総合的な対策とする」と明記。併せて「財政の単年度主義の弊害是正にも配意する」との文言も加えた。