【ニューヨーク時事】20日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、中国の有名女子プロテニス選手、彭帥さん(35)をめぐる問題で中国を非難する社説を掲載した。来年2月の北京冬季五輪を開催する資格に疑問を投げ掛けている。

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 社説は「彭さんはどこに?」と題され、批判にさらされた際の中国の対応は一般的に「否定し、うそをつき、しらを切る。問題が消えることを願い、手を尽くしてもだめなら、激しく逆襲する」と説明。彭さんのケースも同じだと指摘した。

 表立って騒いではいなくても、テニス界や国連など世界各地から問題視する声が上がっており、既に「中国共産党にとって深刻な難題になっている」と強調した。その上で、より良い世界の実現を理想に掲げる国際的なスポーツイベントの開催国としての適格性を問い掛けた。

 彭さんは、共産党最高指導部メンバーだった張高麗・前筆頭副首相(75)との過去の不倫関係を告発した後、どこにいるのか分からなくなった。最近の本人の動画などとされる投稿はインターネット上にあるものの、各国の疑念が払拭(ふっしょく)されるには至っていない。