[北京 22日 ロイター] – 銀行関係者2人がロイターに明らかにしたところによると、中国の金融規制当局は一部の国内銀行に対し、不動産プロジェクト向けの融資を増やすよう指示した。

不動産業界の資金繰り悪化を若干緩和する狙いがあるとみられる。

中国人民銀行(中央銀行)は昨年、「3つのレッドライン」と呼ばれる不動産融資規制を導入したが、当局は同規制を緩和する意向は公には示していない。

ただ、人民銀行は直近では不動産業界の「通常の資金ニーズを満たす」よう指示する指針を出しており、これを受けて、金融機関は最近、融資慣行を調整している。

規制当局から指導を受けた都市商業銀行と大手銀行の関係者によると、不動産開発会社向けの融資政策の小幅な緩和では、依然として「家は住むものであり、投機の対象ではない」との大原則が貫かれる。

金融規制当局は銀行に対し、特に開発プロジェクト向けの融資の承認を加速し、11月のプロジェクト開発向け融資残高を前月比で増やすよう指示したという。

人民銀行、中国銀行保険監督管理委員会のコメントは取れていない。

人民銀行の統計によると、9月末時点の銀行のプロジェクト開発向け融資残高は前年同期比0.02%増の12兆1600億元(1兆9100億ドル)。四半期ベースの同融資の伸びは、第2・四半期から2.8%ポイント鈍化した。

先週末の中国株式市場では、不動産向け融資が緩和される可能性があるとの観測で優良不動産株が5%近く値上がりした。