[ワシントン 22日 ロイター] – 全米リアルター協会(NAR)が22日発表した10月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.8%増の634万戸と、今年1月以来9カ月ぶりの高水準を付けた。価格上昇と供給減で初回購入者の活動が鈍い状態が続く一方、投資目的の購入が増加傾向にある。

エコノミストは620万戸への減少を予想。前年同月比では5.8%減少した。

全購入のうち初回購入者が占める割合は29%と、前月の28%からやや増加したものの、前年同月の32%からは減少した。

一方、個人投資家などによる購入の割合は17%と、前月の13%、前年同月の14%から増加。新型コロナウイルスワクチン接種の進展を受け経済が正常化する中、賃貸住宅の需要が高まっており、こうした動きを反映したものと見られる。

地域別では、値ごろ感がある中西部のほか、人口が多い南部で増加。一方、北東部は減少。価格が最も高くなっている西部は横ばいだった。

販売価格中央値は35万3900ドルと、前年同月から13.1%上昇した。

在庫は125万戸と、前年同月比12%減。販売ペースに基づく在庫の消化期間は2.4カ月。前年同月は2.5カ月だった。適切な需給バランスの目安は6─7カ月。

ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのコーポレートエコノミスト、ロバート・フリック氏は「住宅取得熱は幾分か収束したものの、競争はなお激しく、価格の上昇も続いている」とし、特に低所得層が大きな影響を受けているとの見方を示した。