[イスタンブール/ロンドン 23日 ロイター] – トルコリラは23日、対ドルで15%下落し最安値を付けた。エルドアン大統領が最近の大幅な利下げを擁護し、「経済独立戦争」で成功する決意を示したことが材料で、1日の下落としては過去2番目の大きさとなる。
リラは前日、1ドル=11.4000リラで終了。23日は一時13.45リラまで下げた。その後は下げ幅を縮小したものの、11日連続で過去最低を更新。年初からの下落率は45%に達した。
リラは対ユーロでも過去最安値を更新。トルコの10年債利回りは2019年初以来初めて21%を上回った。
エルドアン大統領は22日の記者会見で、金融政策を引き締めてもインフレは低下しないとし、自身の「経済独立戦争」で成功を収めると表明した。
「国を縮小、弱体化させ、国民を失業、飢え、貧困に追いやる政策を拒否する」と述べた。
トルコ中銀は9月から計400ベーシスポイント(bp)の利下げを実施している。アナリストの多くは、リスクのある政策ミスと指摘している。
エルドアン大統領に10月に更迭されたトルコ中央銀行のテュメン前副総裁は「この理不尽な実験が成功する可能性は全くない」とツイッターに投稿し、通貨リラ相場を保全する政策に直ちに戻るよう呼び掛けた。
トルコ中銀は今月18日、主要政策金利の1週間物レポレートを16.00%から15.00%に1.00%ポイント引き下げた。インフレ率が20%近くに達しているにもかかわらず、中銀は一段の緩和を示唆した。
ソシエテ・ジェネラルは、トルコ中銀は来月にも「緊急」利上げに動くとし、政策金利は来年第1・四半期末までに19%近辺まで引き上げられると予想。ゴールドマン・サックスは来年第2・四半期までに20%に引き上げられるとの見方を示している。