[ワシントン/北京 24日 ロイター] – バイデン米政権が12月に開催する「民主主義サミット」に台湾を招くことが23日に公表された招待リストで明らかになった。台湾を自国領土の一部と見なす中国は反発するとみられる。

今回のサミットは、中国やロシアなどの権威主義勢力に立ち向かう世界の取り組みを米国が再び主導するというバイデン大統領の外交政策を試す機会となる。

サミットは12月9─10日にオンライン形式で開催される。世界的な民主主義の後退や権利・自由侵害の食い止めを目指す。国務省の招待リストによると、110の国・地域が参加する。中国やロシアは含まれていない。

台湾外交部(外務省)は、台北駐米経済文化代表処の蕭美琴代表(駐米大使に相当)とデジタル担当政務委員(閣僚)のオードリー・タン氏を派遣する予定だと説明。

「民主主義サミットへの招待は、民主主義や人権の価値を推進する台湾の長年の取り組みを評価するものだ」と述べた。

中国は各国に対して台湾との関係を縮小または断絶するよう求める圧力を強めており、今月行われたバイデン氏と中国の習近平国家主席のオンライン会談でも台湾を巡る見解の相違が浮き彫りになった。

中国外務省は24日、民主主義サミットへの台湾招待に断固反対すると表明、米国は民主主義を利用し他国を抑圧し、世界を分断していると批判した。

人権団体は、参加国の中に権威主義的な傾向を持つと非難されている国が含まれていることもあり、サミットで各国首脳の意義ある行動を引き出せるかどうか疑問視している。

国務省のリストにはフランスやスウェーデンなど成熟した民主主義国だけでなく、民主主義が脅かされていると活動家が指摘するフィリピン、インド、ポーランドなども含まれている。

アジアでは日本、韓国といった一部の同盟国が招待されているが、タイやベトナムは招待されていない。

同盟国エジプトや北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコも不参加。中東ではイスラエルとイラクの2カ国のみが招待されている。