[ニューヨーク 24日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが幅広い通貨に対し上昇。米連邦準備理事会(FRB)が他の主要中銀よりも速いペースで金融政策を引き締めるという観測が高まる中、対ユーロで16カ月ぶり、対円で約5カ月ぶり高値を付けた。
米連邦準備理事会(FRB)が24日に公表した11月2─3日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、高インフレが続けば債券買い入れプログラムの縮小ペースを加速させ、より迅速に利上げを実施することに複数の政策当局者が前向きな姿勢を見せていたことが分かった。
また、サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、インフレ率が高止まりし、雇用の伸びが堅調に推移すれば、資産買い入れの縮小ペースを加速させることに前向きだと述べた。
DRWトレーディングのマーケットストラテジスト、ルー・ブライエン氏はドル高について「欧州中央銀行(ECB)当局者によるハト派的な姿勢を反映している」とし、「一方、FRBはインフレに対しより強い懸念を示しており、金融政策の乖離が意識されている」と述べた。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.37%高の96.853。
ユーロは0.44%安の1.1199ドル。独IFO業況指数の低下がユーロを圧迫。11月の業況指数は96.5で、5カ月連続で低下した。製造業の供給ボトルネックや新型コロナウイルスの感染再拡大が成長見通しの重しになった。
ドル/円は約5年ぶり高値の115.50円。米個人消費支出の伸びが加速したことが材料視された。米商務省が発表した10月の個人消費支出は前月比1.3%増と、市場予想の1.0%増を上回った。高インフレによる消費自粛の兆候はまだ見られず、第4・四半期序盤の経済見通しに対する追い風となった。
ドルは対スイスフランでも7カ月ぶり高値を更新した。
24日は米指標の発表が相次ぎ、11月20日までの1週間の米新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比7万1000件減の19万9000件と、1969年11月中旬以来52年ぶりの低水準となったほか、第3・四半期の米実質国内総生産(GDP)改定値は、年率換算で前期比2.1増に小幅上方改定された。
ニュージーランド(NZ)ドルは一時、8月23日以来の安値となる0.6856米ドルに下落した。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は24日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き上げた。しかし、50bp利上げを見込んでいた投資家の間では失望感が広がった。
25日は感謝祭の休日のため、米市場は休場となる。
ドル/円 NY午後4時 115.37/115.38
始値 114.99
高値 115.51
安値 114.99
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1203/1.1207
始値 1.1218
高値 1.1219
安値 1.1187