新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の感染震源地である南アフリカ共和国ツワネで入院した人の約10%は2歳未満の子供だ。南アの国立伝染病研究所(NICD)が明らかにした。
感染第4波に入っている南アでは子供の入院が初期段階より増えているが、デルタ株が中心だった第3波の時も同様の傾向が見られたと、NICDの公衆衛生専門家ワーシラ・ジャサト氏は指摘した。
オミクロン株を先週初めて特定したのは南アの科学者だった。症状は軽度とされているが、実際のリスクがどの程度かはなお不明。各国政府は渡航制限を打ち出し、世界保健機関(WHO)はオミクロン株の出現が感染急拡大につながり「重大な結果」をもたらす恐れがあると警告した。
南アで国内病院のコロナ監視システムの開発・管理に携わったジャサト氏は、「幼児は免疫システムが未熟でワクチン接種を受けていないため、より大きなリスクにさらされている」と説明。入院率の高さは、新たな変異株の出現で親が一層用心深くなっていることも一因の可能性があると語った。
同国の科学者らは29日、既存のワクチンは重症化予防の効果を持つ公算が大きいと指摘した。ただ幼児はまだ接種を受けられない。同国で完全な接種を終えた人は人口の約3分の1だ。
デルタ株中心の第3波の時は19歳未満の入院が43%増加した。同国ではその後、ワクチン接種の対象を12-17歳に広げた。
「現在の波の初期段階で、入院に占める子供の割合は過去よりも高いようには見える」とジャサト氏は指摘した。
新変異株「オミクロン」、現時点で分かっていること-QuickTake
原題:Toddlers Make Up 10% of Hospital Cases in Omicron Epicenter(抜粋)