[1日 ロイター] – 女子テニスのツアーを統括するWTAは1日、ダブルス元世界ランク1位の彭帥(中国)の扱いや他の選手の安全性に対する懸念から、中国で開催されるトーナメントを直ちに中止すると発表した。

WTAのスティーブ・サイモン最高経営責任者(CEO)は声明で「彭帥が自由なコミュニケーションを許されず、性的関係を強要されたという彼女の主張を否定するよう圧力をかけられているとみられる状況の中で、選手らに対し中国で競技するよう求めることはできない」と説明。

「現在の状況を考慮すると、2022年に中国で大会を開催した場合、全ての選手とスタッフが直面し得るリスクについても大いに懸念している」と述べた。

サイモン氏によると、香港を含む中国でのトーナメント中止はWTA理事会の全面的な支持を得ているという。

彭は今月21日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とのビデオ通話で無事だと伝えていたが、サイモン氏は彭の身の安全について納得していないと主張。「彭の居場所は分かったが、彼女が自由かつ安全で、検閲や強要、脅しを受けていないかどうか大いに疑問を抱いている」と述べた。

その上で、性的関係を強要されたという彭帥の主張について透明性のある徹底した調査を改めて求めるとした。

ワシントンの中国大使館は、現時点でコメント要請に応じていない。

中国で開催されるWTAのイベントは08年時点で2大会だったが、19年までに9大会に増えた。