【ロンドン時事】石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は2日、テレビ会議で閣僚級会合を開き、今年8月から続けている小幅増産を来年1月も維持することを決めた。日米中など主要消費国が石油備蓄放出を決定しており、産油国側の対応が焦点となっていた。

 発表を受け、原油価格の代表的な指標となる米国産WTI先物は一時前日比4%超安の1バレル=62ドル台に急落。来年の石油の過剰供給を懸念し、約3カ月ぶりの安値を付けた。

 原油価格は今年10月、約7年ぶりの高値を更新。これを受け、米国などの消費国は産油国に追加増産を要請した。しかし、これを拒絶されたため、価格引き下げのために石油備蓄を協調放出するという異例の決定に踏み切った。

 一方、足元では新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」による経済活動の停滞に懸念が広がり、原油価格は大幅に落ち込んでいた。


 OPECプラスは昨年春に大幅な協調減産を打ち出した後、段階的に産油量を増やしてきた。今年8月からは毎月日量40万バレルずつ小幅に増産していく方針を示しており、今回の会合でもこの従来方針を確認した。