[ニューヨーク 3日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、安全通貨とされる円とスイスフランが上昇した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」拡散のほか、米連邦準備理事会(FRB)による積極的なインフレ対応策に対する懸念で、世界的に株価が下落し国債利回りが低下したことが背景。
アクション・エコノミクスは「金融政策の見通しの変化とインフレ懸念に加え、オミクロン株に対する懸念も出てきたことで、ボラティリティーが高い状態が続いている」としている。
米労働省が朝方発表した11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より21万人増加。55万人増を見込んでいた市場予想を大幅に下回り、昨年12月以降で最も低い伸びとなった。ただ、失業率が1年9カ月ぶりの低水準に改善し、労働市場の急速な引き締まりを示唆した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジョナサン・ピーターソン氏は「雇用統計の内容はまちまちだったものの、インフレ圧力が継続していることがFRBの政策正常化の加速につながり、その結果ドルが力強さを維持するという大きな見方が変わったわけではない」と述べた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は小幅上昇の96.146。先週は2020年7月以来の高値を付けるなど大きく上昇したが、今週は週初からほぼ横ばいで一週間の取引を終えた。
ユーロは対ドルで0.1%高の1.1307ドル。
ドルは対円で0.4%安の112.75円、対スイスフランで0.2%安の0.9179フラン。
この日は財務省が半年に1度の外国為替報告書を公表。台湾とベトナムは為替操作国の認定基準を引き続き満たしていると指摘しながらも、いかなる主要貿易相手国も為替操作国と認定しなかった。トランプ前政権下で為替操作国に認定したスイスについては、為替政策を緊密に注視する必要がある「監視リスト」の対象に加えた。
言及のあったベトナムドンと台湾ドルはほとんど反応しなかった。
ドル/円 NY終値 112.80/112.83
始値 113.32
高値 113.61
安値 112.57
ユーロ/ドル NY終値 1.1313/1.1317
始値 1.1308
高値 1.1333
安値 1.1267