Unfinished apartment buildings at China Evergrande Group’s Health Valley development on the outskirts of Nanjing, Oct. 22, 2021. Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国共産党指導部は経済を安定させる方針を打ち出した。不動産市場の冷え込みと新型コロナウイルス感染症(COVID19)の散発的な発生が経済見通しに影響を及ぼす中で、来年は手頃な価格の住宅供給を増やすと約束し、不動産市場に対する締め付けを一部緩和すると示唆した。

  党中央政治局は習近平総書記(国家主席)が主宰した会議で、中国は来年後半の第20回党大会を前に、マクロ経済条件の安定化と合理的なレンジの経済成長確保、社会秩序の維持に力を入れることを決定した。

  国営新華社通信が6日報じたところによると、政府は「合理的な住宅需要をよりよく満たすため商品住宅市場を支援」し、政府が扶助する住宅の建設を増やす。また、不動産業界の「健全な発展」を促すという。

  今回の発表文には、7月の中央政治局会議後の声明や劉鶴副首相が先月公表した論文で指摘した「住宅は住むためのものであって、投機の対象ではない」との言い回しが含まれていない。7月の声明では住宅価格を統制する必要性が強調されたが、今回はその言及がほぼ見られなかった。

  コメルツ銀行の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「当局は合理的な住宅需要を満たすと発表した。つまり、大都市では価格の指導が続くということだ」と説明。「不動産開発業者にとっては、固定されたわずかな利幅が数年にわたり続くことを意味する。小幅な改善はあるにしても、住宅市場が力強く回復する公算は小さい」との見方を示した。

  中国は内需主導型の経済を強化するため、消費の回復と効果的な投資の拡大を後押しするよう取り組むと政治局は表明。来年は流動性を合理的に潤沢な水準に維持しつつ、中国の「穏健な金融政策は柔軟かつ適切に進められる」との方針も示した。

  この日の政治局会議に続き、月内には翌年の経済運営方針を決定する中央経済工作会議が開かれる。今年10-12月(第4四半期)の国内総生産(GDP)は前年の水準が高かったこともあり、前年同期比で3.1%増を専門家らは予想。通年の成長率は8%の見込みだが、来年は5.3%への減速が予想されている。

原題:China’s Monetary Policy to Be Flexible, Appropriate in 2022(抜粋)