[ニューヨーク 7日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、豪ドルなどのリスク通貨が上昇した。新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡る懸念が後退したほか、中国の流動性促進策が寄与した。
世界の株式市場と原油価格が上昇した一方、安全通貨や国債が売られた。オミクロン株に感染しても軽症にとどまるとの見方が広がった。
バイデン米政権のファウチ首席医療顧問は7日、オミクロン株について、初期のデータに基づくと、感染力は強いものの、毒性は低い可能性があると述べた。
一方、中国人民銀行(中央銀行)は6日、銀行の預金準備率(RRR)を15日から0.5%ポイント引き下げると発表した。引き下げは7月以来今年2回目。新型コロナ流行が続く中、減速する景気の押し上げに向け1兆2000億元(1880億ドル)の長期流動性を供給する。
また、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は7日、オミクロン株の出現について、新たな不確実要素だが、景気回復の腰折れにはつながらないとの見方を示した。
これを受け、リスク選好度の目安とされる豪ドルが上昇。0.92%高の0.7114米ドルと約1週間ぶりの高値を付けた。先週は1年1カ月ぶりの安値を更新していた。
スコシアバンクのチーフFXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「オミクロン株が回復を妨げるとは想定していないというRBAの見解を受け、豪ドルは主要通貨の上昇を主導した」と指摘。「現時点ではオミクロン株はデルタ株よりも感染力は強いが、致死性は低いようだ」と述べた。
ドル指数は0.1%高の96.378と1週間ぶりの高値。
米商務省が7日発表した10月の貿易収支は赤字が前月比17.6%減の671億ドルとなった。赤字は輸出が過去最高を更新したことで急減。第4・四半期は約1年ぶりに貿易が経済成長率の押し上げに貢献する可能性がある。
ポンドは年初来安値圏で推移。イングランド銀行(英中央銀行)が来週、政策金利を据え置くとの見方が強まっている。
ルーブルは対ドルで横ばい。バイデン米大統領は7日、ロシアのプーチン大統領とテレビ電話形式で会談を行い、ロシアのウクライナにおける行動に対し深い懸念を表明した。米ホワイトハウスが明らかにした。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約2%高の5万0917.73ドル。
ドル/円 NY終値 113.57/113.60
始値 113.54
高値 113.77
安値 113.46
ユーロ/ドル NY終値 1.1263/1.1267
始値 1.1256
高値 1.1274
安値 1.1229