ウクライナ国境でのロシア軍集結について北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部がロシアと協議するという米国の提案に対し、東欧諸国は批判的な反応を示している。
機密情報であることを理由に国名を伏せて語った匿名の東欧外交当局者によると、その国の政府は激怒しており、バイデン米大統領の計画の詳細な説明を求めている。
別の外交当局者の説明はより具体的だ。かつてソ連に支配され、対ロシアで最前線に位置する東欧諸国の不安は、この協議がどのような譲歩につながるかに集中しているという。ロシアに対する政治的保証や、NATOの移動の自由や行動力を抑制することにならないかという点だ。
エストニアのカラス首相は9日の記者会見で、「NATO加盟の是非についてロシアに発言機会を与えるのは、いかなる場合もあってはならない」と発言。ロシア政府の「狙いは欧州を勢力圏で分割することであり、われわれはこれを最も憂慮する。こうした瞬間をわれわれは自分たちの歴史で忘れておらず、この問題で浅はかな判断はあり得ない」と述べた。
バイデン大統領は「少なくともNATOの主要4カ国」が参加するロシアとの協議を10日までに発表したいとしている。
原題:Biden Infuriates Eastern NATO Allies With His Offer to Russia(抜粋)