デフォルト(債務不履行)に陥った中国恒大集団を巡り、中国当局が盛んにメッセージを発している。同社が沈黙を続ける中で、中国当局は海外市場での受け取られ方をコントロールしようと異例の協調したアプローチで対応している。
中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)などは英文で声明を発表。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は9日、事前収録したメッセージで中国恒大についてコメントした。同社が救済されることはないが、関連リスクは限定的だと中国当局はグローバル投資家に明確に伝えたいようだ。
今月に入りまずは李克強首相が市中銀行の預金準備率が引き下げられる可能性に言及。同時に中国恒大の一連の発表で、売り込まれていた投資不適格(ジャンク)級の中国ドル建て社債の一部が値上がりした。この間、中国恒大のデフォルトに関する本土メディアの報道はほとんどなかった。
中国が金融緩和検討、預金準備率を適切な時期に引き下げると李首相
フィッチ・レーティングスは9日、中国恒大と子会社の長期外貨建て発行体デフォルト格付けを「RD(一部債務不履行)」と、これまでの「C」から引き下げたと発表した。
中国恒大危機で海外投資家は最大級の打撃を受けている。ブルームバーグの中国クレジットトラッカーによると、中国オフショア債市場のストレスレベルは非常に高い水準のままだ。
原題:China Tries to Manage Global Message on Evergrande Collapse (抜粋)