Pedestrians pass through an empty Times Square New York, U.S., on Tuesday, June 9, 2020. Photographer: Nina Westervelt/Bloomberg

今年はどのニュースが世界の関心を最も集めたのか。ブルームバーグのウェブサイトに掲載されたトップニュースから速報やマーケットニュース、発表記事を除いて集計した2021年の注目ニュースランキングでは、トップ5のうち3本が新型コロナウイルスに関連したものでした。1位は8月に配信した「ワクチン接種完了者も感染懸念拭えず、研究者も未解明の問題山積」。闘う相手はデルタ株からオミクロン株に代わったものの、当時の謎は解明されないまま年を越しそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

軍事対応

ロシアのプーチン大統領は北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に対しては軍事的な対応も辞さないと警告した。欧州の緊張激化は米国に責任があると非難しつつ、最後通告ではないと主張した。米国とその同盟国は「ロシアに後退する余地はどこにもないことを理解する必要がある」とプーチン氏は発言。ウクライナにNATOのミサイルが配備されればモスクワを数分以内に攻撃できるため容認できないとし、ロシアにとっては「玄関口」だと語った。

マイルストーン

米食品医薬品局(FDA)はファイザー製およびメルク製の新型コロナウイルス感染症(COVID19)経口薬について、早ければ今週中に承認する構えだ。関係者によれば、FDAは22日にも承認を発表する可能性があるが、予定は変更もあり得る。ファイザーの「パクスロビト」とメルクのモルヌピラビルは、新型コロナ検査で陽性となった高リスク患者を対象としている。FDAは承認にあたって使用できる患者を限定する可能性があるという。

見えない利上げ

暴走するトルコ・リラ相場を浮揚させようとトルコ政府が講じた緊急措置は、見えない利上げに相当し、将来に通貨ショックが起きれば財政に打撃が及びかねない。20日に発表された通貨救済措置受けてリラは急伸。2023年に選挙を控えるエルドアン大統領には政治的な時間稼ぎとなった。「壮大な利上げが沈黙のうちに実施された」とビルケント大学のレフェット・グルカナク教授。「為替レートが大きく動けば財政に重い負担がかかる。こうした負担は通常マネタイズされ、つまり為替レートとインフレ率のさらなる上昇を意味する」と解説した。

炭鉱のために

米鉱山労働者組合(UMWA)は民主党のマンチン上院議員に対し、2兆ドル(約227兆円)規模の税制・支出法案への反対姿勢を再考するよう呼び掛けた。マンチン議員は炭鉱業が盛んなウェストバージニア州選出。UMWAのロバーツ委員長は「この法案への反対姿勢を再考し、炭鉱作業員の職を維持し、組合員とその家族、そしてコミュニティーに有意義な影響をもたらせるよう他の民主党議員と取り組むことをマンチン上院議員に要請する」と声明に記した。米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のウェストバージニア州支部も、大統領と協議を続けるようマンチン議員に求めた。

失速

2021年の米人口は過去最低の伸びとなった。国勢調査局が21日に発表した。移民の流入が減速しただけでなく、新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミック(世界的な大流行)で高齢化と低出産率の影響が増幅した。米人口は今年、わずか39万2665人(0.1%)増えた。20世紀初頭のインフルエンザパンデミック(スペイン風邪)や第1次世界大戦時よりも小幅な伸びにとどまった。増加数が100万人に届かなかったのは、1937年以来で初めて。

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