[ロンドン 21日 ロイター] – 新型コロナウイルスのオミクロン変異株が欧州や米国、アジアなどを中心に拡大する中、各国は感染拡大抑制に向けた制限措置の強化を急いでいる。
世界保健機関(WHO)のクルーゲ欧州地域事務局長は21日、「新たな嵐」が迫っているとし、欧州諸国に対し感染者の「急増」に備えるよう呼び掛けた。
バイデン米大統領は21日にオミクロン株への対応策を発表する。今週からニューヨーク市などに連邦政府の検査施設を設置するほか、軍の医療関係者1000人を動員し、医療機関を支援する計画という。
英スコットランドやドイツ、アイルランド、オランダ、韓国などでは全面的もしくは部分的なロックダウン(都市封鎖)措置が再導入される見通し。
スコットランドのスタージョン首相は21日、26日から3週間、大規模イベントを中止すると発表した。サッカーゲームや大晦日の祝祭なども含まれる。さらに、屋内の立席イベントは100人、着席イベントは200人、屋外イベントは500人にそれぞれ制限する。
また、27日から3週間、ホスピタリティー産業の制限措置を強化し、飲食店での酒類提供はテーブルサービスのみに限定される。
ドイツではショルツ首相が新たな新型コロナウイルス感染抑制策を28日に導入すると発表した。ワクチン接種済みの人の集まりは最大10人に制限されるほか、サッカーの試合を含む大規模イベントは無観客での開催に限られる。16州の首相らとの会合で合意した。
英大衆紙サンは、ジョンソン首相が48時間以内に、飲食店の営業を屋外のみに限定し、屋内での集まりを制限する措置を発表すると報じた。しかし、ジョンソン首相はクリスマス前の導入はないと強調した。
スナク英財務相は、ホスピタリティー産業などオミクロン株流行の影響を被っている部門に対する10億ポンド(13億ドル)の追加支援策を発表した。
スウェーデンでは、国民に可能な限り在宅勤務にするよう要請し、ソーシャルディスタンシング(社会的距離)の強化を実施。隣国のデンマーク保健相は、オミクロン株が感染の主流になったと明らかにした。
ニュージーランドは段階的な国境再開を来年2月末まで延期すると発表。オーストラリアのモリソン首相は21日、新型コロナ対策の行動制限で国民を縛る体制から脱却する必要があると述べ、ロックダウン再導入の可能性を否定した。