トルコ・リラは20日、対ドルで過去最安値を更新した後、数十年ぶりとなる大幅な上げに転じた。エルドアン大統領がハードカレンシーに対するリラの下げが銀行の約束する金利を上回る場合、リラ建て預金者が被る損失を政府が補償すると表明したためだ。
トルコ大統領が異例の措置、預金者に為替変動の損失補償-リラ急反発
リラは17日の終値から約24%高で20日の取引を終えた。ブルームバーグのデータによると、1営業日の上げとしては1983年以来の大きさとなった。
ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、ブレンダン・マッケンナ氏(ニューヨーク在勤)は大統領の発表について、リラ相場の助けにはなり得るが「クレディビリティーの問題であり、政策が実際に行われると預金者が信じるかどうか次第だと思う」と述べ、「トルコの機関は大きな信頼性を得ていないというのが現状で、預金者を味方にするのは難しい課題かもしれない」と指摘した。
格付け会社のS&Pグローバル・レーティングとフィッチ・レーティングスは最近、リラの下落を理由にトルコの格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げている。
トルコの格付け見通し「弱含み」に変更、格付け据え置き-S&P
オアンダのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は顧客向けリポートで、リラの「歴史的反発」だとしながらも、「トルコが非正統的な金融政策を放棄するまで、一部のトレーダーがリラのリバウンドを弱めるだろう」との見方を示した。
原題:Turkish Lira Surges Most in Decades on Erdogan Rescue Plan (1) (抜粋)