[ニューヨーク 23日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に対する懸念が薄れたことで豪ドルや英ポンドなどの高リスク通貨に買いが入り、ドルが弱含んだ。

ホリデーシーズンを控え商いが細る中、主要6通貨に対するドル指数は0.08%安の96.031。ただ、11月末に付けた1年4カ月ぶりの高値に近い水準にとどまっている。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのストラテジスト、ジョージ・ベセイ氏は「オミクロン株の病原性に関する懸念が後退しつつあることで、高リスク通貨が買われる一方、米ドルや円などの安全通貨に売りが出ている」と述べた。

オミクロン株を巡っては、英製薬大手アストラゼネカと米バイオ医薬品会社ノババックスがそれぞれが開発した新型コロナワクチンが同変異株に対しても有効だと発表。これを受け、米株価が上昇するなどの動きが出た。

この日の米経済指標では、労働省が発表した18日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比でほぼ変わらずの20万5000件となり、パンデミック(世界的大流行)前の水準を引き続き下回った。

このほか、商務省発表の11月の個人消費支出は前月比0.6%増と堅調な伸びとなり、米経済が年末に向けて力強く推移していることが示された。連邦準備理事会(FRB)が物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年同月比で4.7%上昇と、1989年2月以来の大きな伸びだった。

対米ドルで豪ドルは0.44%高、英ポンドは0.46%高。

トルコリラの上昇は続き、4%高の1ドル=11.5リラ。関係者の話で、トルコの国営銀行が今週、大規模なドル売り介入を実施したことが判明。介入規模は20─21日の2日間合計で30億ドルといい、今週のリラ急騰に寄与したとみられている。

ドル/円 NY午後3時 114.44/114.46

始値 114.29

高値 114.46

安値 114.26

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1334/1.1335

始値 1.1322

高値 1.1337

安値 1.1291