カザフスタンのトカエフ大統領は反政府デモを巡り、ロシアの支援を得て勝利したと宣言。デモ参加者を「警告なし」で射殺するよう治安部隊に命じたことを明らかにした。
同大統領は7日のテレビ演説で「降伏しない者はせん滅する」と言明。デモ隊との交渉を求める呼び掛けを拒み、デモ参加者を「犯罪者、殺人者」と呼び、鎮圧作戦を継続していると述べた。
ロシアによるカザフ介入は、北大西洋条約機構(NATO)の拡大を巡る欧米諸国との重要協議を来週に控えたプーチン大統領にとって、力を誇示するものだ。カザフ情勢を巡っては、中国の習近平国家主席がトカエフ大統領へのメッセージでデモ弾圧への支持を表明。米国と欧州連合(EU)は平和的解決を訴えている。
ロシア国防省によると、カザフ最大都市アルマトイの空港を奪還する作戦にロシア軍の空挺(くうてい)部隊が参加。トカエフ大統領からの支援要請に応じ、航空機75機を派遣したという。ロシアはシリアとウクライナで軍事作戦を指揮した軍幹部を、同国と集団安全保障条約機構(CSTO)同盟国によるカザフ作戦の責任者に据えた。
今回の反政府デモ鎮圧ではすでに数十人が死亡し、数百人が負傷している。ソーシャルメディア上には、アルトマイで軍が自動小銃を発砲する様子を映した動画もあり、死傷者は今後さらに増える恐れがある。
原題:Russian Troops Fan Out as Kazakh Leader Orders Protesters Shot(抜粋)