[メルボルン 14日 ロイター] – オーストラリア政府は14日、テニスの四大大会、全豪オープンの開幕が近づく中、男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)について、ビザ(査証)を再び取り消すと発表した。ジョコビッチ側は異議を申し立てた。

ホーク移民相は声明で「移民法に基づく権限を行使し、健康と秩序を理由に、またそうすることが公共の利益になるという考えから、ノバク・ジョコビッチ氏のビザを取り消した」と表明した。

ビザ再取り消しを受けて14日夜に豪裁判所で予備審理が行われた。

政府は、弁護士との面談を認めつつも、ジョコビッチに現地時間15日午前8時(日本時間15日午前6時)に、入管の勾留施設に戻るよう命じた。

ジョコビッチは今月5日、全豪オープンに向けてメルボルンに到着したが、新型コロナウイルスワクチン接種の要件を満たしていないとして入国できず、ビザが無効とされた。これに対し、豪裁判所は10日、当局の決定を取り消し入国を許可。

全豪オープン主催者は対戦組み合わせに、ジョコビッチを組み入れていた。

モリソン首相は14日の声明で、「オーストラリア国民はこのパンデミック(世界的大流行)の間、多くの犠牲を払ってきており、その犠牲の成果が保護されることを当然期待している」と指摘。「われわれの強力な国境保護政策は国民の安全を守ってきた」と強調した上で、今後に法的手続きが予想されるとして、これ以上のコメントは差し控えるとした。

豪メディア、ニューズ・コープのオンライン調査によると、83%がジョコビッチの強制送還を支持した。