昨年12月の米小売売上高は10カ月ぶりの大きな減少率となった。新型コロナウイルスの感染が広がる中でインフレも高進し、消費への逆風が強まったことが示唆された。
キーポイント |
---|
・小売売上高は前月比1.9%減少 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%減 ・前月は0.2%増(速報値0.3%増)に下方修正 |
この統計はインフレ調整をしておらず、調整後はさらに弱い数字になるとみられる。
ホリデーショッピングの時期である12月は通常、小売売上高が堅調だが、昨年はギフト配送の遅れへの懸念から多くの消費者が例年より買い物を前倒しした。
12月は13カテゴリーのうち10で減少した。電子商取引を含む無店舗小売りは前月比8.7%減と、特に落ち込みが目立った。
百貨店は7%減少。11月は5.5%減だった。家具や電子機器、スポーツ用品などの店舗も売り上げが落ちた。
この統計で唯一のサービス分野である飲食店の売上高は0.8%減。11月は増加していた。
自動車の販売は0.4%減少。半導体や部品の不足で生産に影響が生じたことを反映して、ディーラーに納入される車が減り、買い手の選択肢も狭まった。
ガソリンと自動車を除いたベースでは、小売売上高は前月比で2.5%減った。
国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は前月比3.1%減と、昨年2月以来の大幅減となった。
2021年通年では、小売売上高は前年比19%余り増えて底堅さを示した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Retail Sales Slide Most in 10 Months on Inflation, Omicron(抜粋)