【ソウル=溝田拓士】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の 金正恩 朝鮮労働党総書記主宰の党中央委員会政治局会議が19日開かれ、対米関係の「信頼構築措置」を全面的に見直し、「暫定中止していた全ての活動の再稼働を迅速に検討する」と決めた。2018年の米朝首脳会談の前に中止を決めた核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の再開方針を示唆したものだ。
会議では米韓合同軍事演習や米国の対北経済制裁に触れ、「米国の敵視政策と軍事的脅威がこれ以上見過ごせない危険な境界線に達した」と評価した。「物理的手段を強化・発展させる国防政策事業」の再開について検討するよう担当部門に指示したという。事業の内容や再開時期の詳細は報じられていない。
正恩氏は18年6月にシンガポールでトランプ米大統領(当時)と史上初の首脳会談に臨み、その後も2度会談した。米国がバイデン政権になって対北朝鮮政策を見直し、北朝鮮は昨年9月からミサイル発射などの軍事挑発を活発化させている。