韓国の情報機関は、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮が今後、緊張を高めるために「人工衛星の打ち上げ」と称してICBM=大陸間弾道ミサイルを発射する可能性があるという見方を示しました。
これは韓国の情報機関 国家情報院が21日に国会の情報委員会で明らかにしました。
出席した議員によりますと、この中で国家情報院は、北朝鮮がアメリカとの対立局面の長期化を念頭に、今後緊張を高める新たな手段を検討するだろうとしたうえで、最も可能性が高い手段として、北西部のトンチャンリから「人工衛星の打ち上げ」と称してICBMを発射することを挙げたということです。
トンチャンリ(東倉里)にある「ソヘ(西海)衛星発射場」では、2012年と2016年に「地球観測衛星の打ち上げ」と称して事実上の長距離弾道ミサイルが発射されています。
北朝鮮は、固体燃料を用いたICBMの開発推進などを盛り込んだ「国防5か年計画」を掲げていて、今月19日に開かれた朝鮮労働党の政治局会議では、2018年4月に表明したICBMの発射実験の中止について見直しを検討することを示唆しています。
ただ国家情報院は、これまでのところトンチャンリで特異な状況は確認されていないとして、関係国とともに動向を注視していく立場を示したということです。