[ロンドン 26日 ロイター] – ジョンソン英首相は26日、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中に首相官邸で複数回のパーティーが開かれたとされる問題で、最大野党・労働党の党首からの辞任要求を拒否した。ただ閣僚が議会を意図的に欺いた場合には失職するというルールが、自身にも適用されるとの認識を示した。
この問題ではロンドン警視庁が25日、規則違反がなかったどうか捜査に着手した。ジョンソン氏は議会に対して、規則を破っていないと明言している。
ジョンソン氏は、議会を誤解させる故意の言動があった閣僚は辞任しなければならないというルールは同氏にも当てはまるかとの労働党のスターマー党首の質問に「当然だ」と回答。さらにスターマー氏が「ジョンソン氏が議会をだましているなら、辞任すべきだ。ではあなたは辞めるのか」と重ねて問うと、「ノー」と語った。
またジョンソン氏は、首相官邸でのパーティーを巡る捜査については何も言えないとした上で、政府は経済成長の促進と、ウクライナ危機への西側諸国の対応で主導的な役割を果たすことに専念すると強調した。
パーティー問題でこれまでジョンソン氏はさまざまな説明をしている。こうした集まりを開催したことを国民に謝罪しつつ、規則違反ではないと弁明したほか、2020年5月20日に行った飲み物持参のパーティーに関しては業務の一環と思ったと述べ、事前にこの種の会合は適切ではないと警告を受けていたとの話を否定した。
一方で英ITVは24日、ジョンソン氏と妻が20年6月、屋内での集会が禁止されていた時期にもかかわらず、最大30人を招いた首相官邸での同氏の誕生日会に出席したと伝えている。
与党・保守党内からもジョンソン氏の辞任を求める声が出ている。保守党議員359人のうち不信任の意見を「1922年委員会」に書簡で伝える議員が54人に達すると、党内で不信任投票が行われ、不信任案が可決されると保守党の党首選が開かれる。