[ワシントン 28日 ロイター] – ウクライナとの国境付近で軍を増強させているロシアが、戦闘で負傷者が出た場合に備え、輸血用の血液を含む医療物資を国境沿いに移動させたことが、複数の米当局者の話で分かった。ロシアが侵攻の準備を進めていることを示す重要な動きとして警戒されている。

匿名を条件にロイターに情報を提供した3人の米当局者のうち2人によると、輸血用血液がウクライナとの国境沿いに運ばれたのはここ数週間のことだった。ただ3人とも、米政府がこれを察知した時期については明らかにしなかった。

米国防総省は、ロシアが軍増強の一環として「医療支援」も国境沿いに配備していることはこれまでも察知していた。ただ専門家は、輸血用血液の準備はロシア軍の準備具合を推し量るに当たり、重要な指標になると指摘。退役軍人で現在は欧州政策分析センターに所属するベン・ホッジズ氏は「攻撃実施を保証するものではないが、輸血用血液を準備せずに攻撃が行われることはない」としている。

この件に関してロシア国防省からコメントは得られていない。米国防総省はコメントを控えている。