米上院はロシア制裁法案について合意に近づいている。メネンデス上院外交委員長によると、同法案にはプーチン大統領がウクライナ侵攻に踏み切らない場合でも発動する制裁が含まれる可能性がある。
事情に詳しい複数の関係者によると、軍指導者を含むバイデン政権当局者は今週、ウクライナ情勢について議員への説明を行う予定。2月3日に上院への部外秘のブリーフィングが予定され、その後に下院向けにも行う。
メネンデス氏は30日、CNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で「ロシアのこれまでの行動を理由に、前もって科す制裁もある」と発言。ロシアの行動とは具体的には「ウクライナへのサイバー攻撃、ウクライナの仕業と見せ掛ける軍事行動、ウクライナ国内で同国政府の弱体化を図る企み」だとした。
同氏はその上で、ロシアがそれでもウクライナに侵攻すれば、「最終的にロシア経済を崩壊させる壊滅的な制裁」が発動されるだろうと述べた。
このコメントはロシアの金融業界と政府のトップを標的にした制裁が法案に含まれていることを示唆する。
ホワイトハウスは上院が合意に達し得るロシア制裁法案に関して立場を明らかにしていない。ヌーランド国務次官(政治担当)は、バイデン政権が検討している一連の選択肢にサプライズの要素があれば抑止力は最も有効に働くと述べ、同法案の支持表明には踏み込まなかった。
同次官はCBSの番組「フェース・ザ・ネーション」で、「われわれは議会と共にこの法案に鋭意取り組んでおり、この法案は米国が北大西洋条約機構(NATO)の同盟国およびパートナー国と構築している体制と非常に良く合致すると見込んでいる」と語った。
一方、国防総省のカービー報道官は「FOXニュース・サンデー」で、「制裁というものはいったん発動すれば抑止効果が失われる性質がある」と述べた。
米国と同盟国はロシアがウクライナに侵攻した場合、「大規模な制裁」を科すと明言しているものの、対応の仕方について米国と同盟国は合意に至っていない。ロシアの行動が全面戦争には相当しないシナリオで特に意見の相違がある。
カービー報道官はまた、ロシアはウクライナ国境地域に集結させている部隊を週末さらに増強しており、プーチン大統領が侵攻を決定した場合の選択肢を増やしたと説明。「プーチン大統領は選択肢の一部を即座に実行に移すことができるようになった。即座というのは実際、いつでも起こりえるという意味だ。プーチン氏が何を望むかにかかっている」と語った。
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原題:Russia Sanctions Bill Moves Closer in Senate Ahead of Briefings、U.S. Senators Close to Russian Sanctions Bill: Ukraine Update、Senators Close to Russia Sanctions Bill in Message to Putin (2)(抜粋)