[ベルリン 31日 ロイター] – ドイツ連邦統計庁が31日発表した1月の欧州連合(EU)基準(HICP)の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比5.1%上昇と昨年12月の5.7%上昇から伸び率が鈍化した。ただ市場予想(4.7%上昇)は上回った。
1月の国内基準CPIも前年同月比4.9%上昇と前月の5.3%上昇から鈍化。市場予想は4.3%上昇だった。
コメルツ銀行のアナリスト、マルコ・ワグナー氏は「2020年の付加価値税(VAT)の一時的な引き下げ効果が前月のように前年比上昇率を上方に歪めなくなったことだけがインフレ鈍化の要因だ」と述べた。
HQトラストのチーフエコノミスト、ミヒャエル・ハイゼ氏は、ドイツ国内や海外の企業に対する調査では、今のところサプライチェーン(供給網)の混乱は大きく緩和されていないため、CPIの前年比上昇率はあと数カ月は4.5%を超えて推移すると予想。「ロシアとの深刻な地政学的緊張を考慮すると、近い将来、エネルギー価格が望ましい形で下落すると見込むのは希望的観測に過ぎないようだ」とした。