[ニューヨーク 4日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが上昇。好調な内容となった米雇用統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)が3月に利上げに踏み切るという観測が強まった。米債利回りの急上昇にも追随した。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.1%高の95.446。朝方には2週間ぶりの安値となる95.136に沈んでいたものの、雇用統計を手掛かりに上昇した。

しかし、ドルは週足で1.8%下落。週間の下げとしては2020年11月以来の大きさとなる見通し。

米労働省が4日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比46万7000人増と、市場予想の15万人増を大幅に上回った。2021年12月の雇用者数の増加幅は当初発表の19万9000人から51万人に上方改定された。賃金も上昇し、時間当たり平均賃金は前年同月比5.7%増と、20年5月以来の大幅な伸びを記録した。前月比でも0.7%増加した。

HSBCのFX戦略主任ダラ・マヘル氏は、賃金が前月比0.7%増となったことが「最もタカ派的」と指摘。スタグフレーション懸念などを払拭し、「米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派が勢い付く公算が大きい」と述べた。

ユーロ/ドルは続伸し、0.1%高の1.1455ドル。欧州中央銀行(ECB)が3日の理事会で、タカ派にかじを切ったことが引き続き材料視された。週足では1.7%上昇と、週間上昇率としては20年3月終盤以来の高さとなる勢い。

ECBは理事会で、インフレリスクが増大していることを認め、年内に利上げに動く可能性を排除しなかった。ラガルド総裁は会見で「インフレは高止まりし、予想以上に長期化する公算が大きいが、今年を通じ鈍化する」と予想。ECBが政策行動を急がないとしつつも、これまでに示してきた年内利上げの「公算は極めて小さい」という発言を繰り返すことも避けた。

前出のHSBCのマヘル氏は、市場がECBのタカ派化により注目しているとし、ユーロが対ドルで再び上昇勢いを増す可能性が高いと述べた。

ポンド/ドルは0.5%安の1.3536ドル。週間では1%上昇した。

ドル/円 NY終値 115.20/115.23

始値 114.87

高値 115.42

安値 114.78

ユーロ/ドル NY終値 1.1446/1.1450

始値 1.1477

高値 1.1481

安値 1.1412