【ワシントン時事】米財務省は4日、美術品取引を通じた不正な資金移動に関する報告書を公表した。高額美術品市場で「マネーロンダリング(資金洗浄)リスクに関する証拠がいくつかある」と問題視。競売商や画商らも資金洗浄を防止する規制の対象に含めることを検討するよう関係当局に勧告した。
高額美術品は匿名性の高い取引ができるほか、価値が不透明で持ち運びも容易なことから不正な資金の移動、隠匿に使われるケースが発覚している。米国の制裁対象だったロシアの新興財閥が2014年、ペーパーカンパニーを使って大手競売商などから巨額の美術品を購入した事例があるという。