Christine Lagarde, president of the European Central Bank (ECB), during a news conference in Frankfurt, Germany, on Thursday, Dec. 16, 2021.Photographer: Andreas Arnold/Bloomberg

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は7日、いかなる金融政策の調整も「漸進的に」行うと明言した。10年余りで初めてとなるECBの利上げを巡っては、議論が過熱しつつある。

  ラガルド総裁は欧州議会で、ユーロ圏経済が新型コロナウイルス禍から抜け出しつつある中で「データ重視」が以前にも増して重要になり、当局者には「かつてないほど」柔軟性と選択性の維持が求められていると語った。

  「今後入ってくるデータへの注視を続け、中期的なインフレ見通しに対する影響を慎重に分析する」と発言。「政策を調整する場合は常に漸進的に行う」と述べ、拙速に結論を急ぐ必要はないとの認識を示した。

  総裁は「資産の純購入終了と利上げ開始の順序は明確にされている。利上げが純購入終了より前に来ることはない」とも説明した。

  記録的な高インフレの持続に直面したラガルド総裁は3日の記者会見で、タカ派色を著しく強め、年内の利上げについて可能性を排除しなかった。政策当局者は表には出さないが、新たな経済予測が公表される3月にも政策ガイダンスが変更されると考えている。

  総裁は7日の欧州議会で、「とりわけ短期的に」物価の伸びが予想を上回る可能性があるとあらためて警告し、インフレ圧力が賃上げにつながったり、ユーロ圏経済のフル稼働回復が早まったりする場合にはそのリスクがあると指摘した。

原題:Lagarde Pledges ‘Gradual’ Adjustment as ECB Hike Debate Heats Up(抜粋)
ECB’s Lagarde Says Any Policy Adjustment Will Be Gradual(抜粋)
Lagarde Sees “No Rush” in Adjusting Policy, European Yields Dip(抜粋)