[ワシントン 8日 ロイター] – 米国のモノの対中輸出が2021年12月に減少し、通年の対中貿易赤字は450億ドル拡大した。中国が第1段階の米中通商合意の目標を達成できなかったことが鮮明となった。

米国勢調査局によると、米国のモノの対中貿易赤字は14.5%増の3553億ドルと、18年に記録した過去最大の4182億ドル以来の規模となった。

21年の中国からの輸入は前年比716億ドル(16.4%)拡大の5064億ドルと、18年以来の高水準に達した。同年の対中輸出も前年比266億ドル(21.3%)増加し、過去最大の1511億ドルとなった。

21年12月のモノの対中輸出は134億ドルと、前年同月の145億ドル、11月の161億ドルからそれぞれ減少した。

21年通年の対中輸出は拡大したものの、第1段階の米中通商合意に盛り込まれた目標の達成には至っていない。トランプ前米政権下で締結された合意では、中国が20─21年に米製品とサービスの購入を2000億ドル増やすことになっていた。

ピーターソン国際経済研究所がまとめたデータによると、中国の米製品の購入は21年11月までに目標の約60%にしか達していない。

米通商代表部(USTR)のビアンキ次席代表は先週、21年末が期限だった第1段階の米中通商合意について、中国が目標を達成しておらず、協議を続けていると明らかにした。

また、複数の米政府高官は7日、第1段階の米中通商合意に盛り込まれた目標を達成するための「具体的な行動」を中国政府に求めたことを明らかにした。

米商務省が8日発表した21年の貿易収支は、赤字が前年比27%増の8591億ドルと、前年の6767億ドルから拡大し、過去最大となった。企業が在庫を積み増す中、輸入が急増した。