The U.S. Treasury building in Washington, D.C.Photographer: Samuel Corum/Bloomberg

米連邦準備制度の急激な利上げへの観測が高まる中、米国債売りが拡大し10年物利回りは2%を超えて上昇すると見込まれている。

  10年債利回りは8日に一時約1.96%と、2019年11月以来の水準を付けた。シティグループは10年債利回りが近く2%を超えると予想。マシューズ・インターナショナル・キャピタル・マネジメントは2.5%に向かうとし、JPモルガン・アセット・マネジメントは年内に3%を試す可能性もあるとしている。

  マシューズのポートフォリオマネジャー、テレサ・コン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「米当局のインフレ目標が2%前後だとすれば」、利回りはそれより高くなる公算が大きいとし、10年債利回りの適正水準は2.25-2.5%との見方を示した。

  トレーダーらは住宅ローン担保証券投資家が利回り上昇に対するヘッジとして米国債を売る水準になるとみられる1.95%の利回りを注視していると、複数のストラテジストらが指摘。また、欧州やニュージーランドの中央銀行当局者からタカ派的な発言が増えていることも世界の債券に対する売り圧力を強めている。

  みずほ銀行の経済・戦略責任者、ビシュヌ・バラサン氏は「時間の問題だ。ECBまでタカ派転換の大合唱に加わったのでは、米国債を支えるものがあるとは考えにくい」と述べた。同氏は10年債利回りが2.5%を試すとみている。

原題:Treasuries Closing on 2% Just a Start as Traders See More Misery(抜粋)