[8日 ロイター] – ニューヨーク連銀が8日に発表した米国の家計債務と信用に関する報告書によると、家計の負債総額が2021年に1兆ドル増加した。増加額は07年以降で最大。価格が一段と高騰している住宅や自動車などの購入増加が背景という。
シニアバイスプレジデントのウィルバート・バンダールクロー氏は「住宅ローンと自動車ローンの残高総額は21年に住宅価格と自動車価格の上昇に連れて急増した」と述べた。
21年の負債総額は19年末から1兆4000億ドル増加した。
21年に組成された住宅ローンは4兆5000ドルを超え、1999年以降のデータベースで最高を記録。住宅ローン残高は第4・四半期に2580億ドル増加し、昨年末時点で10兆9300億ドルとなった。
自動車ローンの組成はパンデミック(世界的大流行)前のトレンドに戻ったものの、自動車価格の上昇を受けて融資額は増加。「自動車価格が高騰したため、購入者は追加費用を調達するためにより多く借り入れた」という。
また、住宅ローンの借り換えが増加しているとし、金利上昇を予想した一部の借り手が低い借り入れコストを利用している可能性もあるとした。
クレジットカードの残高も第4・四半期に520億ドル増加。四半期の増加額としてはデータ算出開始以降で最大だが、残高は19年末の水準をなお710億ドル下回っている。
クレジットカードの使用は通常、ホリデーシーズンで購入意欲が高まる第4・四半期に増加するが、今回の増加は商品やサービスの価格上昇を反映している可能性もあるという。
もっとも全体的には家計は現時点で高い債務負担を吸収しており、パンデミック初期に積み上がった貯蓄と返済猶予プログラムのおかげで延滞率は低水準にとどまっているとした。