[ニューヨーク 9日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めペースを巡る手掛かりを得ようと、10日に発表される1月の米消費者物価指数(CPI)が注目される。

一方、ユーロは上昇。欧州中央銀行(ECB)のタカ派化が引き続き材料視されている。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.103%安、ユーロ/ドルは0.16%高の1.1432ドル。

ECBは先週開催した理事会で、インフレリスクが増大していることを認め、年内に利上げに動く可能性を排除しなかった。

理事会を受け市場で高まった利上げ期待を和らげるため、ラガルド総裁は7日、ユーロ圏のインフレ率が低下し2%前後で安定する可能性があるため、大規模な引き締めは必要ないと語った。

マネーコープのマネージングディレクター、トーマス・アンダーソン氏は、ラガルド総裁の発言が消化され、米CPIの発表待ちとなる中、ドルはレンジ取り引きにとどまる公算が大きいと指摘した。

ロイターがまとめた1月の米CPI上昇率のエコノミスト予想は前年比7.3%となっている。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、「かなりの不確実性を踏まえ、ECBとFRBは最大限の柔軟性を維持することを望んおり、市場参加者はその柔軟性を読み取ろうとする動きになっている」と述べた。

米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は9日、3月以降の将来の利上げは物価動向次第になるとの見方を示した。ただ、50ベーシスポイント(bp)の幅での利上げサイクルを開始する必要はないとの見方を示した。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、米国のインフレ率が低下する時期が近づいている可能性があると述べた。一方で、今年の利上げペースをやや速める方向に気持ちが傾いていると語った。