[フランクフルト 11日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、主要政策金利を急いで引き上げても過去最高水準にあるインフレの抑制にはつながらず、経済に打撃を与えるだけだとの見解を示した。11日にドイツのメディアグループRNDが掲載したインタビューで述べた。
ECBは先週の理事会で、主要政策金利を予想通り据え置いたが、インフレリスクが増大していることを認め、年内に利上げに動く可能性を排除せず、ハト派スタンスからの転換が鮮明となった。
これを受けて債券市場では利回りが急上昇した。
短期金融市場で現在、中銀預金金利の12月までの50ベーシスポイント(bp)引き上げが織り込まれる中、ラガルド総裁はRNDに対し、利上げしてもインフレを押し上げている原油高や供給の制約といった問題は解決しないと指摘した。
「現在の問題のいずれも解決しないだろう。逆に今急いで行動すれば、景気回復がかなり弱まり、雇用を脅かす可能性がある」と語った。
積極的な景気刺激策であるマイナス金利政策の解除は、状況が整った際に段階的に実施すると強調。「われわれは現在、金融政策手段を冷静に、段階的に調整することが可能だ。それは経済データに応じて行われる」と述べた。