【ワシントン時事】バイデン米政権は11日、「インド太平洋戦略」を発表し、中国の脅威が高まりつつあるインド太平洋地域に積極的に関与していく姿勢を鮮明にした。戦略には今後1~2年の行動計画を盛り込み、今年初めに「インド太平洋経済枠組み」を新設する方針を明記。同盟関係や東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携の強化も表明し、米国の影響力拡大を図る。

米新戦略、思惑にずれも アジア外交、試される本気度

 戦略は、バイデン政権下で「米国がインド太平洋への関与強化を決意した」と強調。今後10年の米国の取り組みが、中国によるルールや規範の変更の試みを左右すると主張している。米政府高官は11日、記者団に対し、戦略の目標は「この地域での米国の役割拡大だ」と説明し、米国の積極的な関与が米国にも地域にも重要だと訴えた。

 また、戦略は「インド太平洋地域が増大する中国の挑戦に直面している」と警告し、中国への警戒感をあらわにした。ただ、この地域には経済的に中国に依存し、米中間で「踏み絵」を迫られることを懸念する国も多く、対決色よりも、米国との協調を印象付ける記述が目立つ。