【ワシントン、モスクワ時事】バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は12日、電話会談し、緊迫するウクライナ情勢を協議した。ホワイトハウスによると、バイデン氏はロシアが軍事侵攻した場合、「米国は同盟国と共に断固として対応し、迅速で厳しい代償を負わせる」と再び警告。両首脳は米ロ間の対話継続で一致したものの溝は埋まらず、緊張状態は続きそうだ。

ウクライナ情勢、一気に切迫 米「48時間以内の退避」警告-米ロ首脳が電話会談

 バイデン氏は会談で、ウクライナに侵攻すれば「広範囲にわたる人的被害が生じる」と伝え、武力衝突で多数の死傷者が出ることを懸念。また、国際社会でのロシアの地位が失墜すると警鐘を鳴らした。米欧による強力な経済制裁が発動されれば、ロシアに深刻な影響を及ぼすと強調した。

 ロシアはウクライナへの軍事圧力を強め、米欧に北大西洋条約機構(NATO)不拡大などを迫っている。ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は、バイデン氏が会談で示した欧州の安全保障に関する考えの多くは、ロシアが米国とNATOから受け取った書面回答に既に含まれていると説明。書面回答へのロシアの対応は近く発表すると語った。

 電話会談は約1時間行われた。米政府高官は記者団に対し、首脳会談を受けてウクライナ情勢に「根本的な変化はなかった」と指摘。「ロシアが外交による問題解決に関心があるかは依然不透明だ」と述べ、ロシア軍の侵攻の可能性を排除しなかった。