[ロンドン 15日 ロイター] – 新型コロナウイルス感染者の一部の人が長期間悩まされている後遺症(ロング・コビット=Long COVID)が発生する可能性はワクチン未接種者よりもワクチン接種者の方が低いことが分かった。英国保健安全保障庁(UKHSA)が15日、15の研究に関する新たなレビューを公表した。
UKHSAによると、ファイザー/ビオンテック製、アストラゼネカ製、モデルナ製ワクチンの2回接種者、またはジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンの1回接種者はワクチン未接種者と比較して、ロング・コビットの症状が出る可能性が半分程度だったという。
UKHSAの予防接種責任者、メアリー・ラムジー氏は「これらの研究により、新型コロナウイルスワクチン接種を完了することで受けるメリットが追加された」と指摘。「ワクチン接種は、感染による深刻な症状から身を守る最善の方法であり、長期的な影響を軽減するのにも役立つ可能性がある」と述べた。
UKHSAによると、推定で英国の人口の約2%がロング・コビットの症状を訴えており、最も一般的な症状は疲労、息切れ、筋肉や関節の痛みという。
ワクチン接種前後のロング・コビットの症状を比較した4つの研究のうち、3つの研究では、ワクチン接種後にロング・コビットの症状が悪化するよりも、むしろ改善したと報告した人の方が多いことが示された。また、さらに3つの研究では、ワクチン接種者は未接種者に比べて、ロング・コビットの症状が改善することが分かった。