Morgan Stanley’s fintech hub is photographed in New York, U.S., on Tuesday, Nov. 22, 2016. Photographer: Christopher Goodney/Bloomberg

ウォール街を見渡すと金利はほぼどこでも上昇しているが、一般の預金者を取り巻く状況は異なる。

  米2年債利回りは先週に一時1.64%に達し、1営業日ベースの上昇率としては約10年ぶりの大きさを記録。2019年後半以来の高水準となった。昨年11月末は0.44%だった。米10年債利回りは19年8月以来となる2%超えとなった。

  19年半ばには、ゴールドマン・サックス・グループの消費者向けデジタル銀行部門マーカスも高利回り預金口座で2%を超える利回りを提供していた。米金融当局が3回の利下げに踏み切った2020年初めの時点でも、マーカスは11カ月満期のCD(譲渡性預金)で2%の利率をうたっていた

  米国債利回りがコロナ禍前の水準に戻っているにもかかわらず、こうした貯蓄のための金利は足元でかなり低くなっている。マーカスの預金金利は0.5%で、ウェブサイトではバンク・オブ・アメリカ(BofA)の0.04%やJPモルガン・チェースの0.02%よりも高いと記している。ゴールドマンの金利はバークレイズやアリー・バンクといった高利回りを提供する他の同業他社と肩を並べるが、平均利率が米国債市場の金利をこれほど下回ったことはこれまでほとんどなかった。

  オンラインの高利回り預金口座はここ数年に人気が高まった。一般投資家が手元現金をいつでも使える状態に維持しつつ、米リテール銀行大手の口座よりも高いリターンをなお生み出す容易な手段であることが背景にある。

原題:U.S. Interest Rates Have Soared Everywhere But Savings Accounts(抜粋)