[モスクワ 17日 ロイター] – ロシアは17日、米国に文書を送り、米・北大西洋条約機構(NATO)の同盟国が1月に拒否した安全保障に関する要求を改めて表明した。同時に、ロシア通信(RIA)によると、ロシア外務省はミサイル施設の相互査察について協議を進める用意があるという考えを初めて示した。
ロシアは文書で、NATOの東方拡大停止を含むロシア側の要求に対し米政府が建設的に対応せず、ロシアの「レッドライン(越えてはならない一線)」を無視していると不満を表明。その上で、中東欧からの米軍撤収やウクライナへの武器供与の中止などを改めて要求した。
文書は「米国とその同盟国にロシアの安全保障を巡り確固とした法的拘束力のある保証に合意する用意がなければ、ロシアは軍事技術による措置の実施を含め、対応を余儀なくされる」とした。
一方、RIAによると、ロシア外務省はポーランドとルーマニアにある米ミサイル防衛施設の査察と引き換えに、欧州にあるロシアのミサイル施設の一部の査察を認可する方向で協議することに前向きな姿勢を示した。