[ワシントン/ウィーン/ロンドン 18日 ロイター] – ブリンケン米国国務長官は18日、過去24─48時間にロシアとウクライナの国境近辺で起こっている状況について、ロシアが反応を誘発するために偽の挑発を工作するシナリオの一環であることを確認していると述べた。

ブリンケン長官はミュンヘン安全保障会議で、ウクライナ国境近辺から軍を撤収しているというロシアの主張については「それどころか、侵攻の一旦を担う部隊を含め、国境に向かう追加部隊を確認している」と語った。

欧州安全保障協力機構(OSCE)への米国大使の試算によると、ロシアは現時点でウクライナとその周辺に最大19万人の軍部隊を集結させている。1月末時点では10万人程度だった。大使は「第2次世界大戦以降、欧州で最も著しい軍の動員」という認識を示した。

西側諸国の高官は、ロシアがウクライナ侵攻する「用意が整っている」としつつも、「ハイブリッド戦争」と呼ばれる異例の手法に出る可能性もあるとし、西側諸国は対ロシア制裁を巡り迅速な判断を下す必要があると述べた。

その上で、早ければ18日中にも制裁が発動される可能性があるという市場の憶測については、そのような計画は耳にしていないとした。

さらに「ロシアがいつでも行動に出る可能性がある。事前通知がほとんど、もしくは全くなく(攻撃が)起こることもあり得る」と述べた。