【ブリュッセル時事】北大西洋条約機構(NATO)当局者は20日、ウクライナで勤務するNATO職員を、首都キエフから西部リビウとNATO本部のあるベルギー・ブリュッセルに退避させたと明らかにした。情勢が切迫しロシア軍によるウクライナ侵攻の恐れが一段と高まっていることを踏まえた措置とみられる。

ウクライナ情勢

 当局者は「職員の安全が最優先だ」と説明した。退避した職員の数など詳細には触れなかったが、「ウクライナ国内のNATO事務所は引き続き業務可能だ」としている。

 一方、NATOのストルテンベルグ事務総長は19日、ドイツ公共放送ARDに「あらゆる兆候が、ロシアがウクライナへの本格的な攻撃を計画していることを指し示している」と指摘。「ロシアはまだ、後退して方向を転換し政治的対話を行うことができる」とも述べ、侵攻を思いとどまるよう訴えた。