[モスクワ/アンカラ 23日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は23日、トルコのエルドアン大統領と電話会談し、米国と北大西洋条約機構(NATO)によるロシアの安全保障要求を無視する試みに失望しているという考えを示した。インタファクス通信がロシア大統領府の情報として報じた。

プーチン大統領はさらに、ウクライナ東部の親ロシア派地域の独立承認について、ウクライナが同国東部の停戦と和平への道筋を示した「ミンスク合意」を拒否したことが背景にあると説明した。

トルコ大統領府によると、エルドアン大統領はプーチン大統領に対し、ウクライナの領土保全に反するロシアの動きを認めないと伝えた。

エルドアン大統領はさらに、同地域における軍事紛争は誰の利益にもならないとし、対話を通じた解決を改めて呼び掛けたほか、トルコが「引き続きNATOで建設的なスタンスを維持する」と表明した。

これに先立ちエルドアン大統領は、トルコがロシアとウクライナ双方との関係を放棄することはできないと述べるとともに、西側の外交努力がほどんど実を結んでいないと批判。ロシアとウクライナに交渉を再開するよう呼び掛け、NATOには「方針を定め、できることは何でもする」よう求めた。

トルコの現地メディアは「トルコがどちらかの国を見捨てることはできない」との大統領発言を報じた。

これとは別に、ウクライナの駐トルコ大使、ヴァシリー・ボドナー氏は、ウクライナは黒海に停泊するロシアの軍艦を脅威とみなしており、ロシアがウクライナに侵攻した場合、トルコに対してロシア軍艦の海峡通過阻止を検討するよう要請すると述べた。