[ワシントン 24日 ロイター] – バイデン米大統領は24日、ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議案が国連安全保障理事会で採決されるのを前に、非常任理事国であるインドとのロシアへの対応を巡る協議は「結論が出ていない」と明らかにした。
決議案はロシアに即時の無条件撤退を求める内容で、米政府高官によると、25日に採決される可能性が高い。常任理事国のロシアの拒否権行使で不採択となることは確実だが、米国は理事国15カ国のうち少なくとも13カ国の賛成を取り付け、ロシアを孤立化させたい考え。ロシアに近い中国には棄権するよう働き掛けている。
インドはこれまでのところ、ウクライナ侵攻を巡りロシアを非難することはせず、モディ首相はロシアのプーチン大統領との電話会談で暴力の停止を求めるにとどめた。インドはここ数年で米国と緊密な関係を築いたが、防衛装備品の主要な調達先であるロシアとの関係は昔から強い。
バイデン氏は「ロシアのウクライナに対するあからさまな侵略を容認するいかなる国も、その付き合いによって汚名を着せられるだろう」と警告。 インドが米国と完全に歩調を合わせているかとの質問には「インドとは協議を行っている。まだ結論は出ていない」と語った。
一方、米国務省は声明で、ブリンケン国務長官がインドのジャイシャンカル外相と24日に電話会談し、「ロシアの侵攻を非難し、即時の撤退と停戦を求めるための強力な集団的対応の重要性を強調した」と明らかにした。 ジャインシャンカル氏は、ブリンケン氏とはウクライナ情勢の影響について話し合ったとツイッターに投稿。また、ロシアのラブロフ外相とも電話会談し、「対話と外交が最善の道筋と強調した」と述べた。