ロシア中央銀行は外国人に対するルーブル建てロシア国債のクーポン支払いを禁止した。世界各国から制裁を受ける中で、市場を支えるための一時的な措置だと説明した。
今週に入り同中銀は、外国人によるロシア証券の売却凍結を含む一連の措置を発表している。2月初めの時点で約3兆ルーブル(約3兆円)相当のロシア債を保有する外国人投資家は、今回の禁止でクーポンを受け取れなくなる可能性がある。
この措置がどれだけ続くか中銀は明らかにしていない。インタファクス通信は2月28日、一連の措置は当局が解除しない限り6カ月有効だと報じていた。
中銀はブルームバーグの質問に対して、「配当支払いや、証券に関するその他の支払い、口座への移管についての決定権は発行体にある」と電子メールで回答。「預託機関や登録機関から外国の顧客への支払い自体が行われなくなる。これはルーブル建てロシア国債にも適用される」と続けた。
この決定は「ロシア証券の大量売却とロシア金融市場からの資金流出を回避し、金融の安定を支えるためだ」と主張した。
「今回の措置はテクニカルなデフォルトとなる公算が大きい。どのくらい長く続くのか見守ることになる」とバンガード・アセット・マネジメントの新興国市場アクティブ債券共同責任者ニック・アイジンガー氏は指摘。「ソブリンレベルでユーロ債がテクニカルデフォルトとなる公算も大きいとみている」と続けた。
ルーブル建てロシア国債は先週急落し、指標の10年債利回りは240ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して12.28%に達した。ブルームバーグがまとめた価格によると、ルーブルの年初来下落率は20%を超え、世界で最悪。
原題:Russia Bans Coupon Payment to Foreigners on $29 Billion in Bonds(抜粋)