ロシアの独立系人権団体によると、ロシアのウクライナ侵攻に抗議するデモが6日、ロシア全土で展開され、治安当局による拘束者数はモスクワなど74都市で約5180人に上った。2月24日の侵攻開始以降、累計の拘束者数は1万3500人を超えた。

 プーチン露政権は、反戦運動を封じるため、フェイスブックやツイッターなど若年層が多用するSNSを遮断している。刑法を急きょ改正し、反戦機運を高めないように国内外のメディアにも厳しい罰則を科せるようにした。もともと厳しい情報統制をさらに強化しているが、抗議行動を封じることはできなかった。

 人権団体によると、6日はモスクワでの拘束者が約2400人と最多だった。プーチン大統領の出身地で第2の都市サンクトペテルブルクでも拘束者が相次いだ。SNSには、各地で治安当局が、参加者を手荒な手法で拘束する動画が投稿された。

 ロシアでは昨年1月、反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の拘束に抗議するデモが全土に広がったが、その時は一連のデモの拘束者数は約1万人だった。

 露国内では米欧による厳しい経済制裁の影響が指摘され始めている。今回のデモは、2000年からロシアの実権を握っているプーチン氏にとって、最大の反政権運動に発展する可能性がある。