[ワシントン 8日 ロイター] – 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は8日、中国はウクライナ侵攻後にロシアが直面している苦境に動揺しているようだが、台湾に関する習近平国家主席の決意を甘く見るべきではないとの見解を示した。

長官は下院情報委員会の公聴会で、ロシアの経済的苦境を踏まえ、台湾に関して米国が中国と「生産的」な対話を行う余地が生じたと考えるか問われ、否定した。

「分析に基づき、習主席と中国指導部の台湾に関する決意を甘く見ることはしない」と言明。ただ、ウクライナ侵攻を巡る米欧の対応やウクライナ人の強い抵抗など「過去12日間に起きたあらゆることに中国は、一定の驚きと動揺を覚えたと考えている」と述べた。

台湾に関する中国の「計算」に影響が及んだとの見方も示し、今後の推移を注意深く見守るとしたが、詳しい説明はなかった。

ヘインズ国家情報長官は公聴会で、中国とロシアは経済、政治、安全保障の問題で連携を強めているが、限界があると指摘。ウクライナの戦争が両国関係にどのような影響を及ぼすかは依然不明だとした。

「中国は、ロシアを非難しないことの代償を払っているようにも見える。これが両国関係の今後の展開に影響を及ぼすかもしれない」と述べた。

国防情報局のスコット・バリアー局長は、ロシアの行動が台湾統合を目指す中国を勢い付かせる可能性があるか問われ、台湾とウクライナは「全く別物」だと強調した。