北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍の元最高司令官、ジェームズ・スタブリディス氏が、在任中にウクライナを訪れた際の印象を記しています。「軍および政府当局者は自国の言語や文化遺産、国家主権に極めて強い誇りと尊厳を抱いている」。現在ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストを務める同氏が、ロシアによる侵攻前に指摘していたもので、ウクライナ軍は訓練や装備の不足を強い決意と頑健さで補っていたと振り返っていました。戦闘が始まって2週間余り。祖国を守り抜く決意のウクライナにどこまで有効な支援ができるか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

中国の姿勢に懸念

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と中国の外交を統括する楊潔篪共産党政治局員がローマで会談を行った。米国務省のプライス報道官は終了後、ロシアが仕掛けたウクライナでの戦争を終わらせる上で、中国は大半の国以上に貢献できることがあるかもしれないと、記者団に述べた。会談で米国側は、中国による対ロシア支援への懸念を表明したという。ホワイトハウスは両者がロシアによる戦争に関して「実質的な議論」を行ったとの声明を発表した。

テクニカルな事情で中断

ロシアとの交渉を担当するウクライナのポドリャク大統領府顧問は、「テクニカルな事情により交渉を明日まで中断した」とツイッターに投稿した。追加の作業や個別の定義明確化などがあり、交渉は続いていくという。ホワイトハウスはバイデン大統領の欧州訪問を協議している。事情に詳しい複数の関係者が語った。実現すればロシアのウクライナ侵略戦争が続く中での訪欧となる。具体的な訪問地は明らかでない。ホワイトハウスのサキ報道官はこの件について、決定は下されていないと述べた。

雲行き怪しく

米民主党中道派のマンチン上院議員は、バイデン大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)の銀行監督担当副議長に指名したサラ・ブルーム・ラスキン氏を支持しないと表明した。ラスキン氏のFRB副議長指名を巡っては共和党が既に反対姿勢を示しており、マンチン議員の不支持表明により上院での承認は厳しくなった。

撤退範囲を拡大

シティグループは、ロシアから撤退する事業について、発表済みのコンシューマーバンキング以外にも範囲を広げることを明らかにした。シティのロシアでのプレゼンスは米金融機関の中で最大。広報担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント、エドワード・スカイラー氏は、ロシアからの「撤退の範囲を拡大して複数の事業を対象とし、残りの業務とエクスポージャーの縮小を続ける決定を下した」と発表文で説明した。ロシアでの新たな顧客の勧誘も停止するという。

3日連続で過去最多更新

ドイツでは新型コロナウイルス感染が再び広がっている。ロベルト・コッホ研究所(RKI)のデータによると、14日は10万人当たりの感染者数(7日間平均)が1543人と3日連続で過去最多を更新した。ラウターバッハ保健相は13日のツイートで、感染状況悪化で「多くの死者」が出る兆候があると警告。ワクチン未接種者に対し、至急接種に行くよう促した。同国は2月中旬からコロナ関連の各制限を解除し始め、残りの措置の多くも20日に廃止する予定となっている。

その他の注目ニュース

年内7回の米0.25ポイント利上げを織り込む-短期金融市場

中国のロックダウン、経済の半分に影響も-世界への波及リスク警戒を

パナソニックが大規模な米電池工場検討、オクラホマ州など候補