[ワシントン 18日 ロイター] – 米リアルター協会(NAR)が18日発表した2月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比7.2%減の602万戸となり、前月の大幅な増加から反転した。減少率は2021年2月以降で最大。住宅ローン金利の上昇や長期の住宅不足により、初回購入者が市場から排除された格好だが、販売戸数は依然として新型コロナウイルス大流行前の水準を上回っている。
住宅販売は4地域全てで増加した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は610万戸。前年同月比では2.4%減だった。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のデータによると、2月の住宅ローン金利は急上昇し、30年固定金利は3年ぶりの高水準に迫った。先週は平均で4.16%と、2019年5月以来初めて4.0%を上回った。
ネイションワイドのチーフエコノミスト、デイビッド・バーソン氏は「市場がバランスを取り戻し、価格がより緩やかなペースで上昇するには販売件数が急激に減少する必要がある」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)は今週、政策金利を3年以上ぶりに0.25%ポイント引き上げるとともに、インフレ抑制のために必要であれば、今後の会合でより積極的な利上げを行うと表明。このため、住宅ローン金利はさらに上昇するとみられている。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏は「住宅購入者にとって超低金利の住宅ローンを確定する機会が失われた」と指摘。ただ、現在の30年物の住宅ローン金利が過去30年間の9割方の期間よりも低いため、「住宅ローン金利がやや上昇しても、住宅販売はかなり堅調に推移するだろう」とした。
2月の中古住宅販売価格の中央値は前年同月比15%上昇の35万7300ドル。上昇は120カ月連続。
販売は引き続き高価格帯に集中した。10万─25万ドルの価格帯の販売は前年同月比26.1%減少した。
中古住宅の2月末時点の在庫は87万戸。前年同月から15.5%減少した。
2月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は1.7カ月と、1年前の2.0カ月から縮小した。健全な需給バランスは6─7カ月とされている。
初回購入者の割合は29%。一方、現金のみの売買の割合は25%と前年同月の22%から上昇した。現金による売買が多いセカンドハウス購入者など投資家の割合は19%と前年同月の17%から上昇した。
住宅が市場に出ていた期間は18日間で、前年同月の20日間から縮小した。
販売された住宅の84%は、1カ月未満で買い手が付いた。